かつての繁栄を残す横浜市都筑区の町、川和（第２段）

横浜市営地下鉄グリーンラインの川和町駅から北に向って散策しました。川和町駅から北には旧都筑郡庁舎（現在の川和高校あたり）及び川和の富士講の中心である川和富士（港北ニュータウン建設に伴い東側に移設された）があります。

川和町駅の西側は港北ニュータウンの端で住宅が拡がっています。しかし鎌倉中之道の間道があり、途中には土蔵が見られます。一方、東側には山林所有者の協力により、里山林と富士山の眺望を楽しめる魅力あるスポットとして本年平成２６年４月に開園しました「川和市民の森」が拡がっています。麓には土蔵がみられます。

川和町駅の西側を横浜市営地下鉄グリーンラインに沿って、鎌倉中之道の間道を歩きました。川和町駅前に臨済宗円覚寺派医王山瑞雲寺があります。ここには筆塚があり毎年法要が開催されています。

川和町駅北端付近の間道には、根まわり約５ｍ、高さは約１５ｍの無患樹（ムロクジュ）が立っています。横浜市の指定木で、種子は固くて黒く、羽根つきの球に用います。今の時期はまだまだ青い実です。

更に数分歩くと青面金剛と庚申の文字塔があります。庚申講を続けた記念に建立され、塚の上に石塔を建てることから庚申塚とも呼ばれています。庚申講とは、人の体内にいる三尺虫が、寝ている間に悪事を報告するのを防ぐため、庚申の日（甲・乙・丙・・・の十干と子・丑・寅・・・の十二支の組合せで６０サイクル）に夜通し眠らないで青面金剛を祀り、勤行をしたり宴会をしたりする風習です。

次に少し山に向かって入ると、岩沢山啓運院天宗寺があります。ここには芭蕉の句碑がありますが、芭蕉の字が読みとれますが句は良く読み取れません。

更に北に向うと、地鎮塔とも云う地神塔が見られます。春分、秋分の社日には農作業を休んで地神講の仲間が集まって地神を祀る風習です。

更に歩くとすぐに開け人家が多くなり、港北ニュータウンの端です。

ゴールは川和富士です。江戸時代後期に富士山に登れない農民が、富士山に模した富士塚を築造し、富士の山開きに合わせて富士塚を巡った富士講により、２７ヶ年の歳月をかけて明治２０年に完成した富士塚でしたが、港北ニュータウンの計画により消滅しました。しかし昭和６１年に川和富士公園の中央部に新しい川和富士が再現されました。標高７４ｍと高く、その頂上からは富士山、横浜港等素晴らしい眺めが見られます。

今回は横浜市営地下鉄グリーンラインの川和町駅から２Ｋｍ圏内で、散策には最高です。