同好の集い

連句入門（その６２）　　　　　　臼杵游児　　　2010年4月13日

皆さんから寄せられた発句候補２０句を投票で皆さんに選句して頂きましたが、結果はど うなったでしょうか。
上位７番目までを並べると次の通りです。

１）９点句
　　　　　日矢受くる竹百巻の淑気かな

２）８点句
　　　　　正座して論語ひもどく淑気かな

３）７点句
　　　　　また一人増えて祝うや雑煮膳

４）６点句
　　　　　早梅や月影ゆらぐ舟溜り

４）６点句
　　　　　鴇色(ときいろ)の帯締め選りて着衣始(きそはじめ)

６）５点句
　　　　　双六に今年の運を委ねけり

６）５点句
　　　　　庭の木と心一つに春待てり

前回発句の要件として
①　季語と切字を有すること。
②　句柄は興味本位のものでなく、また重々しく沈んだものは避ける。
③　おおらかな内容豊かに、品格あり姿もしっかりした句。

この３条件をあげましたがこの選ばれた句はその条件に適合しているでしょうか。
皆さんもう一度検証して下さい。
扨、幸か不幸かトップの「日矢受くる竹百幹の淑気かな」の句は小生が作者です。 皆さんに選ばれたことは大変光栄ですので、この句を発句として半歌仙を巻き進めましょ う。この句は勿論新年の句ですから次の脇の句は新年の短句を付けていただくことになり ます。
それでは脇句を付けるに当って心得ておくべき点は何でしょうか。
昔は発句客・脇亭主といわれたように、座に招かれた連衆の中の主賓客の一人が主人に対する 挨拶の意を込めて発句を詠み、これに招待した側の主人が客人に対し応対の挨拶の意を詠んだのが脇句でした。
この半歌仙の場合は勿論客も主人もないないのですが、基本的な精神は同じで発句に応じ て発句の言い足りないことを補うつもりで、同時同場所の短句を詠むのが原則です。
連句は次々と転じてゆくことが肝要ですから前句に付き過ぎるいわゆるベタ付は禁物なの ですが、発句に対する脇の関係だけは例外で、むしろ発句と一体になって一つの世界を詠 み上げ、これがスタート台となって次の展開を考えるといった感じです。脇句を体言留め にするのもこのためです。
もう一度繰り返しますと、発句の新年と同時・同場所で発句の表現し足りなかった処を細 くし一つの世界を詠み上げる、従ってむしろベタ付位の感じで体言留めにする、この要領 で短句を付けましょう。

「日矢受くる竹百幹の淑気かな　　游児」
この句に短句の脇を付けて下さい。
例によって何句付けていただいても結構です。

締め切り：平成２２年５月２日（日）

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